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ふみきり★戦争(2006.7.17)

 今日は双葉に連れられて、近くの商店街まで来ていた。何やら勉強するための参考書があーたらうーたらで、一緒に選んで欲しかったらしい。
 その帰り道に戦いは始まった。開かないことで名高いとある踏み切り。学校帰り、会社帰りの時間帯だ。開かないのは当然だろうとでも言わんばかりに、遮断機は人をせき止めていた。
「……ねぇ、いっちゃん」
 ぼーっとしていた俺は、ワイシャツの袖を引かれて横を見る。制服姿、本日は髪を下ろしたままの双葉が不思議そうにおばちゃんの群れを見ていた。買い物帰りの主婦。不自然な点はない。
「どーした?」
「あの人達ね、この踏切のことを『赤ずきんの踏み切り』って言ってたの……。どういう意味なのかしら?」
 分からないと、双葉は首を傾げてまだ見ている。俺は銃弾を頭に受けたように固まる。これは即死だな。戦いは終わった。
 彼女達の会話はこんな感じ。
「やーねー、この時間になると何十分も開かないのよ」
「ホントに、『開かずの踏み切り』って嫌になるわねぇ」
 ……双葉、お前が赤ずきんを被って線路を走ったらいい。

☆ 本日の試合結果。ふみきり勝利。


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